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鍼灸師・鍼太郎妻の妊娠日記③

2017-12-01

また凡ミス?と思われた前回からの続きです。

 

鍼灸師・鍼太郎妻の妊娠日記①

 

鍼灸師・鍼太郎妻の妊娠日記②

 

逆子に対する鍼灸治療

 

凡ミスの前にもう一つ鍼灸ケアによって得た成果を挙げておきます。

 

風邪症状が発症する前にもう一つ気になっていたのが、7週目から徐々に強くなっていた食事中~食後にかけての右わきの痛みです。20週目のエコーでやや逆子気味(頭が右を向いた真横位)と言われました。

 

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まだ焦る時期ではありませんが31週までには戻っていて欲しい。口には出しませんが妻は不安そうでした。

 

咳が治った24週目から本格的に逆子が直るための施術開始です。
鍼は妊娠前からしていましたが、お灸は初めてです。
初めてのお灸は不安と熱さが入り交じり号泣でした。初めての妻に私の刺激量は思いやりが足りなかったようです。
2回目以降は刺激を極力弱くしたこともあり、慣れてきた様子。

 

鍼や灸を的確なツボに的確な刺激を施すことで、意図したタイミングでお腹の赤ちゃんが動いてくれます。

 

お腹の赤ちゃんを動かそう・動いて!と願いながら運動をしたり逆子体操をしても、想いだけではなかなか動いてくれません。

 

赤ちゃんが動きたいと思うと素直に「ゴロッ」と動いてくれるのです。
赤ちゃんに動きたいと感じてもらうためには、まあるいお腹を目指します。
臍から下の下腹部を暖かい状態に保ち、臍から上の胃周囲の固さを取ってあげることが大切です。

 

この身体の調和を鍼灸では整えることができるのです。

 

「逆子の灸」という言葉自体、少しは浸透しているのかな~と患者さんに尋ねてみますが鍼灸院に来られる患者さんでもまだまだ認識されていないのが現状です。

 

逆子体操よりはるか昔からおこなわれていたことなのに不思議な感じです。

 

逆子にはこのツボ!という治療法が鍼灸業界でもベースとなっていますが、先程もお伝えしたように身体の調和を整えるためのツボが大切であり、やはりこれも人それぞれ違うんです。

 

インターネットで調べた情報でカマヤ灸を購入し、ご自身の独学でお灸を試されるのであれば、一度鍼灸院に足を運びどこのツボを使うのがあなたに適しているのかを聞いてからの方が安心です。
さらにいえば逆子治療は短期決戦で、5回も通う必要がない場合がほとんどです。
お腹の赤ちゃんやお母さんの不安を考えると、私たち鍼灸師に任せていただくのがベストかと思います。

 

逆子を直すために施術を始めて2週間。ほぼ毎回施術中にお腹の赤ちゃんの動きを感じるなか特に大きな「ゴロン」をお互いが感じました。

そこから右のわき痛が消失。
翌週の27週目の検診で正常位に戻っていることが確認できました。

 

この辺りからお腹の子が元気に動くようになります。
妻は正常位に戻りホッとしながらも、また頭が上にいくのではと安心できない様子でしたが、お腹の状態さえ良くしておけば問題ないよと伝えていました。
お腹の子は良く動くんですが妻の子宮やお腹に響かない程度の控えめな刺激で、そんなところも愛おしく感じます。

 

そこから38週目まであれよあれよと過ぎていき・・

 

妻は32週目で職場を退職。
引き際も見事なまでに清々しく何の未練もなく円満退職です。
毎日が休みの状態でも一切うずうずすることもなく、ゆったりと楽しい日々を送ってくれていました。
妊婦さんにはやはり、伸び伸び過ごしてもらうのが一番です。
お腹の子もスクスクと育ち、父親に似て頭デカめだそうです。これは出産が大変だ。

 

出産前の国内旅行も済まし、ランパス巡りはさすがに車で巡りながら迎えた38週目、鍼太郎2つ目の凡ミスです。

 

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雨の日のファンファーレ

 

雨の日にバイク、そして凡ミス。
起こったことは一つしかありません。

 

転倒のタイミングが午前診療を終え、昼休みの時間を使った訪問治療前でした。
左半身から転び左脇・膝の打撲に加えて右手母指球の皮がしっかりめくれてます。
なぜなら手袋の負傷部位だけちょうど破れていたから。
バイカーの皆さん、手袋は少しでも破れたら買い替えましょう。

 

しかし一番の痛手は左足首の捻挫でした。

 

私はヤンキー座り(死語?)ができない超がつく足首の固さで、学生時代サッカーを12年間やってきましたが逆に一度も捻挫をしたことがありませんでした。

 

鍼灸接骨院時代にたくさんの学生さんが足首捻挫で痛い痛いとやってきても、痛いのは分かりつつ想像の域は出られません。

 

で、今回初めて捻挫をして思ったことは・・めちゃめちゃ痛い!

 

こんなに痛かったんですね。今後の捻挫治療の対応が変わりそうです。
ある程度の打撲であれば放っておけば治りますが、足首はどうしても代償動作が生まれやすく捻挫癖を起こさせないためには、治療は非常に有効な手段です。

 

今回足首治療について詳しく書くにはブログタイトルと一致しないので、また仲間のブログにお願いしておきます。

 

≪足首の捻挫と鍼治療(テーピング vs 整動鍼)≫

 

交通事故の経験がある方に分かるかもしれませんが、事故直後はアドレナリンが大量に出ているため痛みが麻痺して動ける気がします。
幸いバイク内部に損傷はなさそうでしたので、動くには動けます。
しかし午後診療のことも考え、訪問先へはお休みの電話を入れました。

 

訪問患者さんは皆私が開院する前からのお付き合いです。電話口で驚きながら全員がこのタイミングは駄目でしょうという口調。
奥さんには決してバレないように!とも言われました。
私も黙っていればバレずに済むかなと昼間のメールは普段通りに返していました。
院に戻った後、自分で急いで治療をして午後からの診療に備えます。

 

午後からの患者さん4人は誰も気付かずこちらも痛いながらその分、力がいつも以上に抜けてベストな治療ができました。

 

出産予定日まで2週間を切ったこのタイミングは、やってしまったとしか言えません。
妻は当然心配と驚きで動揺するでしょうし、それがお腹の子に少なからず伝わるのは目に見えています。

 

当日の施術を終え帰宅のとき黙っておこうと思いましたが、足の引きずりを隠すことはできなさそうです。
幸いと言えるかはさておき、妻は私がバイク事故を起こして帰宅する光景を見るのは初めてではありません。

 

ここは神妙にならず普段通りのテンションでやっちゃったと伝えることにしました。
当然そんな言い方をされると腹立たしく思われる方もいるでしょうが、妻は大丈夫と分かっていたことも要因です。
予想通りの反応で暖かく心配してくれたことは言うまでもありません。

 

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翌日は祝日でしたがワンデイの鍼灸セミナーが南森町であり、その翌日の土曜日は午前診療のみですが10人来院予定です。
手負いの状態で1人でこの人数はどうシュミレーションしても患者さんに迷惑が掛かります。
今まで受付を手伝ってもらうことはあえてしてこなかったのですが、38週を過ぎたこのタイミングで初出勤をお願いすることになるとは夢にも思いませんでした。
急にお腹の大きな奥さんを受付にいてもらう旦那を、何故?と思われた方もいたのではないでしょうか。理由はこれでした。

 

ここで受付に人がいてくれるありがたさが身に染みて分かります。
患者さんに安心感を与えるという感覚は認識していましたが、私自身もとても安心して1人1人の施術に臨めました。
もっと必要とされる存在になって、早く受付さんにいてもらえる環境を整えたいです。

 

さあいよいよ出産の日が近付いてきました。
ここで最後のドラマが今度は妻の身に起こります。
次回は12/6(水)9時~公開予定です。お楽しみに。

 

提案!症状をすみやかに経過させる過ごし方

 

鍼太郎がバイク事故後におこなったことは2つです。

 

  1. ①足を引きずることで起こる代償動作を最小限に食い止めるため、腓骨と膝の調整から足首と股関節の連動を回復させる鍼をおこなう
  2. ②自然な呼吸を発動させ続ける

 

①の解説は前章のブログに再度お願いして、②の解説を少々。

 

以前に一度ブログでも報告させてもらいましたが、4月から日々の在り方を見直し、体現力と中心軸の構築を目的に毎月「呼吸整体」を学んでおります。

 

そこで1~4回までに学ぶのが、自然呼吸を発動させるための様々な動きを通したワークです。

 

自然呼吸とは息を吸ったり吐いたりという頭の意識での呼吸ではなく、身体の形状が変化することで息が勝手に出ていく、入ってくるという人間誰しもが本来備わっている非常に優れた身体の機能を指します。

 

呼吸によって起こる身体の膨張と収縮で血液や筋肉・関節・内臓は滞りなく動いてくれます。詳しい説明は当院のブログをご覧ください。

 

雨の日が苦手な方に、2番目に読んで欲しいブログ

 

今回の怪我は非常に痛手となりましたが、自分の身体で変化を実感できる絶好の機会でもあります。
早速呼吸整体を学ぶ森田先生に質問しました。
非常に腑に落ちる内容の返信を頂けたので、かいつまんで私の主観も加えながら共有しておきます。

 

今回のような怪我の回復にも、身体の膨張と収縮は必要です。
自然呼吸を発動させる時間が長ければ長いほど、負傷した箇所が正常な回復をしてくれます。
吸気優位(息が吸えない・身体が膨らんだ状態)の身体でいるとそれだけで身体の微細な膨張収縮を阻害し、その分治りは遅くなります。

 

また、自然呼吸を発動させると痛みが一時的に増します。

 

これは息を止めたり、身体の代償動作によってごまかされていた痛みが正常に感じられるようになっているだけですので異常ではありません。
痛み止め薬の乱用がどれだけ怖いかが分かるかと思います。

 

痛みも潮の満ち引き、膨張・収縮のように発現しながら収束していく感覚は身体の力を感じる瞬間です。

 

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痛みをしっかり感じながらも自然呼吸でいると、あるところでスーッと痛みが引き始めます。
痛いから動く・息を吸うではなく、淡々と動きのあるなしに関わらず呼吸をニュートラルにしておくと後遺症が残りません。

 

私はこの助言を機に、毎朝・晩15分自然呼吸を発動させる動きを続けて、発現と収束を繰り返しながら、出産の日を迎えました。

 

身体の力って凄いんです。