症例の紹介

【胃腸症状】症例2:お尻と足の冷えを伴う慢性便秘

DATA

患者: 女性 73歳 宝塚市
来院: 2015年12月
鍼灸の経験: なし

症状の特徴と経過

年中便秘状態が続いており、便通薬のマグミット錠は毎日欠かさず飲んでいる。
冬になるとお尻・足の裏が冷えて仕方がない。乾燥するこの季節は扁桃も腫れやすく、毎年冬には必ず長引くノド風邪で苦しむのが恒例となっていて今年は何とかしたいと考えていた。
畑仕事が日々の日課の為、肩こりで接骨院に月2回通っているが、鍼灸院は行った事が無く鍼は怖いイメージ。
友人の強い勧めで、便秘・風邪の予防が出来るであればと淡い期待を持って来院。

治療の内容と経過

問診・お身体の状態を実際に触れて確認した結果、身体を潤して温める力の弱りが原因であり、舌・脈は過剰な水分量を示し、お手洗いは午前中よく行くにも関わらず実際の水分摂取量は極端に少ない事からも、飲食物の栄養を身体にしっかり吸収出来ていない事が、便秘や冬の寒い時期に風邪を引いてしまう要因であると考えた。(肩こりも含む)
この要因の解決に向け「脾胃」と「腎」の底上げをはかるツボを用いて身体を温める方向に治療した。
患者さんの意向で月1回の通院ペースと体質改善には少し困難なペースではあったが、食養生と運動方法をお伝えして様子を診て頂く。

【~7鍼目】施術後は毎回身体がポカポカ温まっている様で、開始から2ヶ月後の3回目来院時には便秘が緩和されており便通薬を飲まなくても過ごせる日が出てくる。3ヶ月後の4回目には来院2日前まで非常に快便だったという。舌のへばりついた苔も薄くなり、半年後の7回目、薬は2日に1回まで落ち着いた。

【~13鍼目】さらに半年間診させて頂いているが毎年引かれる冬の風邪を今年は引いていませんねと尋ねたところ、患者さん自身も当初の訴えをすっかり忘れていた様で、「そういえばそうやね!」と拍子抜けな答えで笑い合った。
これから夏にかけては冬とは逆に炎症が起きやすいので扁桃腺には十分気を付け治療方針を夏の治療に微調整しながら引き続き観察していきたい。

同時に治療した症状 風邪予防、肩こり
使用した主なツボ 中脘、気海、関元、公孫LR、太谿R、太衝L、腎兪LR

考察

人は年齢に関わらず必ず自然治癒力を保持している。症状が改善しないのは年齢のせいで仕方が無いと医療に携わる者が考えるのは怠慢でしかない。一人一人の改善していくペースは違えど、患者さん一人一人に合った施術をおこなう事で身体は必ず反応し変化する。その変化をお互いに共有し、喜ぶ事が出来るおおらかな心の持ちようが更なる症状の改善に繋がる。この患者さんは初診からその心持ちがあったので月1回にも関わらず、すみやかな改善がみられたと考える。年齢を重ねていく毎に物腰が柔らかくなった方が、全ての面で得策だと感じる。

患者様の声