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下痢症の要因と施術方針①
2016-04-01
前回までの内容はこちら
今回からは男性に多い「下痢症」。
「便秘症」同様、統計によれば男性の約3割が悩まさせているそうです。
下痢の主な要因は5つ。
①外気の影響(湿気・寒気・暑気)
②暴飲暴食や偏食
③ストレス・精神不安定
④脾胃虚弱(長期にわたる胃腸の弱り)
⑤腎陽虚弱(加齢・病後・虚弱体質)
下痢は、便が柔らかく時に頻回になるので
①大便に過量の水分が存在する
②排便が頻回におこなわれることが病態の本質です。
※津液(身体の中の水分・潤い《軟骨も含む》)
湿(身体の中で代謝出来ていない余分な物質)
ここでまず大切なのは大便が柔らかいということは、腸管内に水が多く溜まっているのであって体内の状態と直接は関係しないことです。
①暴飲暴食によって多くのものが吸収された状態
②体内に湿が溢れ、これ以上津液を取り入れたくない場合
この2点は胃腸が津液吸収を拒否して下痢になるため、体内も腸管内も水が多いことになります。
胃腸の弱りで津液を取り込めず下痢になる場合は、大便は下痢でも体内は津液が不足します。
下痢の際の身体の状態は「湿」の場合も陰虚(結果としての「燥」)の場合があり、この2つを考えるのが正しい要因の分類分けだ。ということになります。
➊大便から水分を取り込もうとしない場合(体内も湿)
➋大便から水分を取り込めない場合(体内は燥)
次回、「下痢症」の分類分けは、取り込もうとしない下痢です。
《参考文献》
「漢方中医学講座」著 仙頭 正四朗先生
「いかに弁証論治するか」東洋学術出版社
「「証」の診方・治し方」 東洋学術出版社