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下痢症の要因と施術方針②

2016-04-04

前回までの内容はこちら

 

便秘症の要因と施術方針①

 

便秘症の要因と施術方針②

 

便秘症の要因と施術方針③

 

下痢症の要因と施術方針①

 

前回は下痢症の起こりうる要因・病態の本質をご紹介しましたが、今回からは「下痢症」が起こりうる要因の分類分けを致します。

 

①「取り込もうとしない」下痢

 

❶暴飲暴食:身体が取り込みを拒否(生体内は正常の場合もあり→一過性の過食に対する生体防御)

 

❷湿蘊(しつうん):体内に病的に「湿」の過剰が存在し、身体が取り込みを拒否

 

「取り込もうとしない」直接的な理由は、体内に湿蘊が存在するから。
前回の5つの要因で述べた、「暴飲暴食や偏食」「腎陽虚」などが挙げられます。

 

 

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❸血瘀(けつお)《血の滞り》:「ストレス・精神不安」等によって起こる
津液や食材を運ぶのは、結局は血流を介して行われます。
それゆえ、食中食後は胃の周辺に大量の血液が集合。
血瘀が特に腸管周辺において存在すれば、取り込んだものを運び去ることができず、入り口で津液の取り込みを邪魔することになります。

 

《当院の施術方針》
身体の中の溢れかえった津液を排泄するために水分代謝を高めて血液の滞りを取り除き、胃腸の負担を減らす方向に施術致します。

 

《生活指導》
繰り返しになりますが、湿蘊を作る原因を取り除く必要がありますので飲食養生に対する自己努力は必須です。
共に本気で取り組みましょう。
ⅰ.生冷飲食物の摂取制限(刺身・生野菜サラダ・牛乳・コーヒー等)
ⅱ.食生活の乱れ・暴飲暴食・食事時間の不規則の改善
ⅲ.運動や趣味の時間を確保してストレスを発散させる

 

次回、「下痢症」の分類分けは「取り込めない下痢」です。

 

《参考文献》
「漢方中医学講座」著 仙頭 正四朗先生
「いかに弁証論治するか」東洋学術出版社
「「証」の診方・治し方」 東洋学術出版社