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連日の猛暑で咳が止まらなくなるワケ

2018-08-04

先週猛暑で首が回らなくワケと題してブログを書いたところでしたが、今週当院では咳症状を主とした夏風邪・喘息が流行しています。

 

【夏流行シリーズ】

 

連日の猛暑で首が回らなくなるワケ

夏にギックリ腰が多くなる原因とは?

 

そんな患者さんの大半はいつもの風邪だと病院に行くか、市販薬で様子を見るもなかなか治らず、こじらせた後に当院にご相談がある経緯でした。
ではなぜ猛暑日に発症した風邪は、お薬で治らないことが多いのか。

 

そのワケはのぼせにあると考えます。

 

夏風邪の経過例

 

プライベートな話になりますが、先週29日(肉の日)、肉業界の手法に前乗りで乗っかりながらお肉を買って帰り自宅で焼肉をしたのですが、食べてる途中妻が急激な悪寒と関節痛、頭痛に襲われ、焼肉は中断。

 

早く食べたいときに限って子供の寝かしつけに時間が掛かり、空腹時にお肉を一気に食べた結果でした。

 

食あたりにみえますが食あたりではなく積み重なった夏風邪の引き金が、急激な胃への負担によって引かれてしまったように推測。

すぐに鍼をおこなうと熱がしっかり出たので、そのまま冷えピタとアイスノンを装着してもらい息子と就寝してもらいました。

 

翌日悪寒は緩解しましたが、熱・頭痛がそのまま出続け体温は40℃まで上昇し、当然食欲もなくしんどい状態は続きます。

 

のぼせの治療をおこない夏風邪がすみやかに経過できるよう、息子をショッピングモールに連れ出し、ひたすら寝てもらえる環境を整えました。ちょうど仕事が休みの月曜日で良かったです。

 

 

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2人で帰宅後経過を尋ねると緩やかに熱が下がり頭痛のみが残っています。
もう一度のぼせと頭痛に対する治療をおこない、買ってきた鍋焼きうどんを食べてもらい息子と就寝してもらうと、翌朝パッと起きることができ、頭痛は残るが3割程度にまで落ち着きました。
昼頃には頭痛も緩解。食事はまだうどんとゼリーだけで良いいようです。

 

妻が風邪を引くとほぼ100%うつってしまう私は、当然40℃の熱を防げるわけもなく・・翌朝悪寒と関節痛で37,5℃の熱が出るも、仕事には支障をきたさない程度です。
合間に自分への治療と15分睡眠を2〜3回挟んでいる間に、悪寒・首痛・熱が緩和しました。

 

この日は家族全員が早めの就寝をおこない、2日目に私は全快。
妻は高熱が出たので、回復までのダルさがもう1日残るも4日目には全快と良い経過をたどれました。

 

【処方薬】

妻:なし。
私:市販の葛根湯を1日半

 

ここからみえてくる夏風邪の特徴は分かりましたでしょうか。

 

夏風邪の特徴

 

夏風邪の原因の大半は細菌でもウイルスでもなく、のぼせにあると考えます。

 

 

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これだけ猛暑ですと外にいれば常にサウナレベルの暑さで、当然体温は上がります。
あまり外に出ない方でもクーラーの室内から外に出ると、急激に体温が上がりこの振れ幅が大きければ大きいほど、身体がついていかず短時間でものぼせます。

 

身体がのぼせるとどうなるでしょうか。

 

血液やエネルギーのベクトルは上を向き、頭や顔に熱が急激にこもり、頭寒足熱ではなく、頭熱足寒状態になります。

喘息持ちの方はこれだけで、咳が出てきそうです。

 

顔に熱がこもると、咳・鼻水・くしゃみ・頭痛・熱が出るのは容易に想像でき、頭はふらふら〜っと、めまいが起こる場合もあるでしょう。

数日その状況が続くと肋間神経痛や、肋骨痛を併発してしまうこともあるようです。

 

こんなとき皆さんはどのような行動を取るでしょうか。

 

①無理して仕事を続ける(食事・睡眠の質も変えない)

②安静にしていれば良くなるかなと思い、ゆっくりしてみる

③病院に行く

 

今こうやって鍼灸院のHPを見てくださっているあなたでさえ、①〜③のどれかを選択されるのではないでしょうか。

 

ここに鍼灸院に行くという選択肢が加わるために、日々様々な鍼灸師は情報を発信し続けております。

 

当院にこじらせて来院された方の大半は、①→③の流れでようやく鍼灸院という選択肢です。

夏風邪が病院のお薬で経過しづらいワケはこのような経緯です。

 

いくら強制的に熱を下げようと、咳・鼻水・くしゃみ・頭痛・めまいを止めようとしても、のぼせをどうにかしないと改善できません。

 

夏風邪の治療方針

 

のぼせの治療には、細かな詳細ポイントは省きますが、首〜背中の緊張緩和によって熱を逃がすためのルート確保と、足の冷えている場所に熱を誘導する2点が主となります。

 

 

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特に首の触診は欠かせませんが、首に直接鍼をすることはほとんどありませんので、「首に鍼なんて神経がたくさん通ってて怖い!」と思われた方は、ひとまずご安心ください。

 

といいつつもまずは睡眠の確保が最優先であり、ご自分のお身体を守る基本中の基本になります。

 

夏風邪を甘く見るな!

 

最後になって急に怒り出したようなタイトルになりましたが、怒っていませんよ。

ですが普段の風邪と違うことだけは、ここまで読まれた方には分かっていただけたかと思います。

タイトル飛ばしでここから読まれた方は、今回の記事は申し訳ありませんが最初から読んで欲しいです。

 

 

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首が回らない患者さんが多くなったとき同様、夏風邪の患者さんも非常にお辛そうです。特にのぼせに喘息症状が加わると息ができないので、命に関わります。

 

実際に先日のワイドナショーで芸人のハチミツ二郎さんが、急性心不全で入院され生死をさまよわれた話題が取り上げられていました。

 

高熱→肺炎→急性心不全→呼吸不全という流れ。

 

呼吸不全になるとずっとおぼれた状態に感じ、呼吸が全くできなかったそうです。

そんな状態は当然病院です。

 

ですがほとんどのケースはこの3歩手前で夏風邪の状態。
このブログがご自分を守る手立ての一助になれば、幸いです。