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頭痛の要因と施術方針③

2016-03-14

前回までの内容はこちら

 

頭痛の要因と施術方針①

 

頭痛の要因と施術方針②

 

②流体量の異常【不足】

 

流体量が限度を超えて過度に減少すると、乾燥した川の流れのような理屈で局所における滞りを生じます。

 

❶気の不足
気の全体量が不足すると少ない気でやり繰りするために、末端部には気を配分しないような調整が働きます
頭部は生命にとって重要ではありますが肉体の自律的な活動の上に付加された高次機能の場です。
生きるか死ぬかの瀬戸際には頭部も末端として認識され、気血の流れを遮断してより必要な部分を優先することがあります。
身体はむしろ、気の異常を気付かせようとすることが目的なのかもしれません。
ふらつき感、頭部の空白感を伴う頭痛で特に胃腸が弱っている病態でよくみられます。

 

❷血の不足
気の不足同様ですが、頭部は血と関わりの深い器官が多いので、身体の他の部位よりも早く血の不足(血虚)の症状が頭部に現れることは少ない。
白い顔色や、血と関係の深い髪、目などの異常を伴う頭痛になります。

 

❸水の不足
水は身体における流体の基礎となるもので、水の不足はあらゆる流体の動きを悪化させる要因となります。
水の不足はいわゆる女性の更年期症状の状態で、年齢が上がっていく程その割合が増えていきますが、単純に水を飲む量を増やす事で解消されるものではないことが難しい点です。

 

 

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水不足による空虚感を伴う頭痛で、水が不足する分、相対的な熱の亢進があり、
耳鳴り・めまいなど深部の不足の症状も伴います。
このいわゆる「陰の不足」を補う事に鍼灸治療は長けていますので、
この様なお身体の状態の方は、一度当院にご相談ください。

 

《当院の施術方針》
身体の中の気・血・水(陰陽)を、補う方向に施術致します。

 

《生活指導》
不足を補うのに最も効果的なのは
眠りの質(12時までの就寝・平均7時間睡眠)を高めて「熟睡する事」です。
頭痛で眠りが浅い方・眠れない方は必ずご相談下さい。

 

次回の分類分けは「動きの異常」です。

 

《参考文献》
「漢方中医学講座」著 仙頭正四朗先生
「いかに弁証論治するか」東洋学術出版社
「証の診方・治し方」東洋学術出版社