なぜ、舌を診るの?

初めて来院の患者さんに舌を診させてもらう際、
「なぜ、舌を診るんですか?」と不思議がられる事が多々あります。
中には、後で聞いた笑い話ですが、
「舌に鍼を刺す気か!」と内心怖がられていた患者さまもおられました。

改めて・・なぜ舌を診る必要があるのか?

「舌は心の苗・脾胃(胃腸)の外候」
「身体全体の陰陽の状態を表す」

要するに
舌は体内の変化を敏感に反映する「ものさし」となります。

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では、実際に舌のどこを診ているのか。
陰陽別に簡単に挙げていきます。

《陰の状態》
①形・大きさ
②舌苔(舌のコケ)の厚さ・潤い

《陽の状態》
①色
②張り具合(緊張度)
③舌下静脈(舌の裏筋)
※舌の状態に興味がある方は検索をかけてみて下さい。沢山の画像が出てきますよ。

具体的に先程の陰陽の状態を観察する事でどの様な推察ができるのか。
①正気の盛衰を判断:身体が元気か弱っているか
②病位の深浅を弁別:病気の軽重
③病邪の性質を区別:寒・湿・燥・熱
④病状の進退を推測:病邪と正気の消長(軽症→重症、寒証→熱証、潤→燥)

さらに舌は経絡(人体中の気血水の通り道)を通じて直接的・間接的に五臓六腑(内臓)と連携しており、臓腑の病変が舌に反映されます。

大変簡略化してお伝えしましたが、
これだけでも術者が舌を診る事の重要性を理解して頂けたのではないでしょうか。

当院では鍼灸を施す毎に、舌・脈・お腹の状態を診て、
身体が術者の操作した通りに動いてくれているかを確認しております。


《参考文献》

「漢方中医学講座」著 仙頭 正四朗先生
「中位臨床のための舌診と脈診」医歯薬出版株式会社