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夏にぎっくり腰が多くなる原因とは?

2017-08-23

お盆が過ぎ、暑さのピークを過ぎると思いきや今度は蒸し暑い毎日ですね。
個人的には、今の時期が一番の踏ん張りどころです。
今月は特にぎっくり腰で来院される新患・再診の患者さんが多くなっています。
ぎっくり腰が起こりやすい季節でよく挙げられるのが、季節の変わり目の特に秋口といわれるように寒暖差が暑い→寒いに移り変わる時期といわれます。

 

ではなぜ、夏真っ盛りのこの時期にぎっくり腰が多くなっているのでしょうか。

 

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原因は胃腸の冷えにある

 

夏は冷たい食べ物や飲み物を欲します。服も薄着になり、汗も大量にかくので身体は常に夏の暑さから身を守ろうと冷やす方向に働きかけるんですね。
身体にとって必要な反応ですが、これは外の環境下においての話。今は室内もクーラーでキンキンに冷えた状態です。

 

外でいたときの冷やそうと働きかけた身体の状態のまま、冷えた室内に入り身体を冷やす食べ物や飲み物を汗をかいた薄着の状態で飲食するとどうなるかはイメージしやすいはず。
外でのBBQもギックリ腰の温床となり、原因は単純に食べ過ぎ・飲み過ぎの状態で自然の解放感に心躍り羽目を外してしまうことです。

 

このことから夏のぎっくり腰の原因は、内臓の特に胃腸の冷えが原因で起こりやすいといえるでしょう。

 

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夏・冬のぎっくり腰の特徴と違い

 

夏のぎっくり腰は胃腸の冷えが原因で起こるとお伝えしましたが、痛む部位にも特徴があります。
背中には脊柱起立筋という首からお尻まで連なった長い太い筋肉があり、腰の要ともいえる筋肉ですが、この筋肉が痛いと訴える患者さんが多くなります。

 

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実はこの筋肉のラインには、全ての内臓の名前がついたツボが縦一列に並んでいるんです。内臓の反応が腰に現れることも納得できます。
十二指腸・胃潰瘍や急性胃炎も背中が痛くなりますよね。

 

もう一つ付け加えると、胃腸のツボは腕の背面と足のスネにも並んでいます。
手足のツボを使ってお腹と腰の緊張をとることができるのです。
夏はTシャツで腕を出すことはもちろん、短パンやスカートなど足のスネを出す機会が増えませんか。胃腸が冷えるもう一つの原因がここにもありました。

 

夏のぎっくり腰は筋肉の損傷が多いので患者さんは「ピキッ」とした痛みと訴えるのが特徴です。

 

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冬は外の気温が下がる分、ざるそばより暖かいおそばを食べたいのは当然で、服も自然と分厚くなりますよね。
冷えないように身体の汗腺は閉じる方向に働き、身体を温めようとしてくれますが、外気温の寒さをしのぐためにどうしても身体の形状は縮こまってしまうので、冬は関節の動きが固くなっていきます。
そのため冬のぎっくり腰はお尻の骨と股関節を繋ぐ関節が捻挫してしまう「仙腸関節捻挫」が多くなります。

 

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結果として冬のぎっくり腰は関節の捻挫が多いので「グキッ」とした痛みと訴えるのが特徴です。

 

夏のぎっくり腰の改善例

 

ここで夏のぎっくり腰が起こってから改善するまでの一例を、症例として書いているので興味がある方はご覧ください。

 

【腰痛】症例14:胃腸の冷えからくる夏のぎっくり腰

 

4日間で3回繰り返したぎっくり腰の原因が連日の暴飲暴食による胃腸の冷えにありました。
初診に痛む場所を確認すると、予想通り筋肉の周辺痛を訴えます。
動きの改善に加え胃腸を軽くする施術をおこなった結果、痛みのスケールが10→3まで落ち着きました。

 

しかし2日後以前より痛くなった気がすると来院。原因は施術当日お腹がポカポカして快調だったのでお孫さんと焼肉を食べに行き、たくさんのお酒を飲んだことで再び胃腸が重くなってしまったことでした。

 

その日も夜はお寿司を食べに行くようなので胃腸を支える「腎」を強化すると、1週間後の来院時には仕事も違和感なくおこなえる状態を保てていたので、そのままご卒業頂きました。
夏のぎっくり腰に、内臓調整がすみやかな効果をもたらした症例です。

 

夏のぎっくり腰予防は噛むことにあり

 

夏のぎっくり腰が胃腸の冷えにより起こりやすいということは、できる限り胃腸を冷やさないようにすることが大切です。ですが、冷たいものを食べたいし飲みたい。

 

そんなときは食べものをよく噛むことです。ちゃんと噛めれば内臓は必ず動き、熱を産み出してくれます。
私が教わり実行しているのは、特に最初の3口を100回噛む。
実行すれば必ず身体は変わります。

 

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よく噛むことは体内の熱を産生するための養生法ですが、外の環境に対応することも大切です。室内に入るときのために身体に羽織るものを、女性はブランケットも常備しておいて欲しいです。
腕が冷えることで胃が冷え、足が冷えることで腸が冷えます。

 

季節に応じた特徴を理解し、ぎっくり腰になる前の対策を是非心掛けてくださいね。