症例の紹介

突発性難聴・耳鳴り

症例1:踵が痛くなると同時に耳鳴りがする

DATA

患者: 女性 20代 宝塚市
来院: 2016年6月
鍼灸の経験: あり

症状の特徴と経過

出産後、肩腰を中心に身体の様々な場所が痛くなり、1週間前から右足の踵に痛みが出現し、日に日に悪化。来院前日には歩くのも足を引きずる様になり、踵立ちで激痛が走る。子供をご主人に見てもらえる日を作って来院。特に原因は思い当たらない。
同時に夜になると耳鳴りが出現する状態が1週間続き、腰も痛い。

 

治療の内容と経過

元々身体の血液量が出産後から慢性的に不足しており、踵の痛みはふくらはぎの緊張から。耳鳴りは踵の痛みによるストレスと寝不足による慢性的な疲労の蓄積と考えた。

踵の痛む部位が真ん中と外側からそこに関連する膝裏のツボ2ヶ所に鍼をおこなう。抜鍼後、歩いて確認してもらうと踵の痛みが内側に移動している。そこで内側に関連するふくらはぎ内側のツボに1本。痛みが10→5に緩和されたのでさらに違うツボに1本。5→0となり痛みが消失。踵立ちまで可能となった。

耳鳴りに関しては夜眠れかった事が一番の要因と考え「腎陰」を補うツボ3ヶ所、気を降ろすツボを併用。
施術時は昼で耳鳴りがなかったので後日確認した所、耳鳴りは術後以来夜も消失。
足の裏は朝起きたり、動き出しに痛みは残るが常に痛む事は無くなったとのご報告。

同時に治療した症状 耳鳴り、腰痛
使用した主なツボ 合陽L、委陽L、地機L、三陰交L、曲泉L、陰谷L、太衝L

考察

踵の痛みの症状緩和は流れの視点での解決は困難で動きの視点から考えた結果、歩く時に無意識に使うふくらはぎの筋肉に注目する事が出来た。
耳鳴りに対しても身体の上下バランスを調整する事で今回は解決出来たが、動きの視点を加える事で難解な耳鳴り症状に対しても十分に対応できる。
この結果は現在勉強している整動鍼と磯井流活法手技の賜物であり、以前であれば改善に時間が掛かったり困難だった症状の改善を可能にすると確信している。