症例1:帯状疱疹の神経痛
DATA
患者: | 男性 30代 尼崎市 |
---|---|
来院: | 2017年2月 |
鍼灸の経験: | あり |
症状の特徴と経過
治療の内容と経過
現在は発疹・痛みも薬によって消えているため、1ヶ月間で披露し切った身体の回復と風熱の発散・湿邪を取り除く事を治療方針とした。
舌・脈・お腹も以前と変わらず血液の滞りと弱りの所見だったが、背中の熱がこもりやすい場所を確認すると強い圧痛がみられた為、対応する手のツボに鍼をおこなう。圧痛が緩和した事を確認し、さらに薬の副作用を飛ばす足のツボを加えた。最後に、再発を防ぐ目的で清熱・行気活血・除湿のツボを加えて下腹部の緊張が和らいだ事を確認して施術を終えた。施術の効果を確認したいため、明日は病院に行かず経過観察をお願いする。
前回、再発した3日後症状が再発しておらず、さらに1週間後メールにて確認すると症状は完全に引いているとのご報告。仕事での飲酒後も再発せず現在も経過良好である。
同時に治療した症状 | 肩こり、足の疲れ |
---|---|
使用した主なツボ | 後谿L、内庭L、曲池R、行間R、大椎 |
1度の施術が全て再発しない要因になったとは言えないが、1ヶ月間再発を繰り返した状態を考えると身体の回復力を後押し出来た事は確かではないだろうか。
帯状疱疹がウイルスによって起こることは間違いないが、帯状疱疹ウイルスは水痘の既往歴がある人体には必ず寄生している。
普段はじっと静かにしており、過労や病気で免疫力が極端に落ちた時に発症しやすい。
長引く原因はいくらウイルスや皮膚の炎症を薬で除去しても、身体の「弱り」が底上げされない限り回復しないと考える。
発症後安静にできれば、治癒力で治っていくことも可能だが、痛みをこらえながら仕事を通常通り続けると、長引きやすい。
鍼灸ができることの一つに、体内に本来ある「正」を強めて「邪」の要素を外に追い出す「不正袪邪」という方法がある。
帯状疱疹治療に大変利点のある施術法ではないだろうか。
今回は「袪邪」がメインとなったが、単純に除去するのではなく風湿熱が滞りやすい身体の癖を整えることで、結果として身体があるべき姿に戻り「不正」もおこなえたと考える。