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腰痛とは!?③-2 なぜ支点である腰が痛くなりやすいのか?

2016-06-18

前回までの内容はこちら

 

腰痛とは!?①こり・痛み・痺れの要因

 

腰痛とは!?②2足歩行で歩く人間として生活している以上、腰痛とは常に隣り合わせであり宿命である 

 

腰痛とは!?③なぜ支点である腰が痛くなりやすいのか?

 

今回は東洋医学からみた見解です。
前回お伝えした通り、メガネをかけ直してみて下さいね。

 

③なぜ支点である腰が痛くなりやすいのか?

 

東洋医学からみた見解:天人合一説・心身一元論

→自然と人間は一体であり、自然の環境がそのまま身体にも影響を与える
まず病気にならない事を重視→予防医学

 

①外邪の侵入

湿邪:粘滞性(むくみ・重だるさ)
湿度の高い場所・雨季の季節・雨に濡れる・汗で濡れた衣服を着替えずに置くなどの原因で体内に侵入。

 

寒邪:凝滞性(筋肉を硬くさせる)
冬の強い寒気や薄着により、あるいは暑い夏でも長時間冷房にあたる等により体内に侵入。

 

熱邪:炎上性
通常の暑さを超えた異常な暑さ・長時間の直射日光等により体内に侵入。

 

寒邪+湿邪→寒湿腰痛:冷えて痛む・重い、安静時も痛みが変わらない

湿邪の粘滞性と寒邪の凝滞性によって、経絡中の気血の流れを塞ぎ腰痛発生
※労働やスポーツで汗をかいた後、侵入しやすい。

 

湿邪+熱邪→湿熱腰痛:蒸し暑さで腰痛悪化、カラダを動かすと痛み減少
湿邪(陰)と熱邪(陽)の性質は反対のため、これが一体化すると簡単には除去出来ずしつこく体内に残り、経絡内の気血の流れを阻害し腰痛発生。

 

※蒸し暑い夏・亜熱帯性の低気圧の発生する時期に侵入しやすい。
愛飲家・美食家で高脂血症の人は、体内にいつも湿熱を抱え込んでいる状態にあり、湿熱型の腰痛に苦しむ人が多い。

 

 

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②気滞血瘀(きたいけつお):固定痛、触れると痛い
打撲損傷・交通事故・過剰な運動・重い荷物を背負って長く歩く
日常的に悪い姿勢を取り続ける・慢性的な消耗等

 

体内の気血の流れが悪くなり、経絡の流れを阻止して瘀血(おけつ)腰痛発生。

 

③腎虚:慢性腰痛、だるく重い
腰=「腎」が主る部位であると覚えて下さい。

 

「腎」を内臓の腎臓として捉えるのではなく、「腎」が身体に及ぼす作用として説明致します。
いわゆる「腎」とは成長・発育・生殖に関する働きを生涯に渡って左右する非常に重要な生命力の根源(熱源)→「先天の本」(遺伝子)です。

 

年齢を重ねると共に「腎」の機能は自然と低下していきます。
腰に関連する事で言えば姿勢筋の状態に反映され、主に腰の筋肉や下腹部(丹田)など身体の中心部に位置する筋肉群と関係が深く脊柱の姿勢を決定します。

 

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腰を「腎」と考えるため腎の特性は凝集(力を溜め込む部分)ですから、腎虚(腎が弱る)の影響は弛緩すなわち「たるみ」の形で現れます。

 

老年の前かがみの姿勢は骨との関わりで骨変形をきたす事よりも、腰の筋肉の弛緩による前屈の増大によるもの。
いわゆる中年腹は皮下脂肪の蓄積による腹囲の増大によるものよりも、腹筋の緊張度の低下による腹壁の弛緩による関与が大きいと考えられます。

 

腰の栄養失調や経絡の流れを阻止して起こる腎虚腰痛発生。

 

このように東西両医学からみた腰の痛みの要因は多種多様で、
2足歩行で歩く人間として生活している以上腰痛とは常に隣り合わせにあり、仮に今腰が痛いとしても落ち込む必要はありません。

 

最近はようやく整形外科やペインクリニックの先生も、痛み止めや注射を打つだけでは、腰痛や肩こりは良くならないという事を患者さんに説明されるお話をチラホラ聞いております。
薬や注射で痛みを抑えたら、必ずカラダを動かしましょう。
薬を処方する目的はあくまでカラダを動かすこと。
痛みがゼロにならないと活動できないでは意味がありません。

 

次回は運動指導の立場から「腰痛に対する理論的な動き・トレーニング」について挙げていきます。