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鍼灸院にもM&Aは存在?

2016-12-05

現在は景気の不透明さや消費の伸び悩み、「国際競争力をつけるため」「国内市場競争力強化のため」「破綻企業再生のため」に大企業・中小企業を問わず、ひと昔前では考えられない企業同士の合併や買収のニュースが後を絶ちません。

 

最近私が目にして興味を引かれたのがサークルKサンクスの入り口横断幕です。
そこには「ファミマでRIZAP!」とデカデカ書かれた横断幕。ここはどこのコンビニだ!とつい突っこみたくなりました。
実は9月よりサークルKサンクスはファミリーマートに経営統合され、看板までもが順次ファミリーマートに変わっていくそうです。
つい最近、サークルKとサンクスが合併して名前を無理やり繋げたにも関わらず、とうとう名前までも消滅。
と、共にサークルKサンクスの人気オリジナル商品も廃止、もしくはファミマの新ブランドで出る事となりそうです。
100円コーヒーの先駆けもサークルKサンクスなのに、今では最後発のセブンイレブンが先駆けの様な一般認識。会社規模の違いを感じる瞬間は見ていて自分事として恐ろしく感じてしまいます。

 

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話は変わりますが、鍼灸業界という小さな枠組みの中で、他の院と経営を統合する事があるかと言うと・・

 

もちろんありません。
そもそも鍼灸院は半数以上が自営業者です。
ある程度の売り上げが見込まれる院での事業拡大、金銭借入に必要な社会的信用の為、新たな鍼灸療法や手法をセミナーとしておこなう為などに会社を立ち上げる事はありますが、その会社同士が合併・買収する事はないでしょう。

 

 

では鍼灸師同士が、横の繋がりを持ったり、技術を共有する術はどこにあるのか。
一つは希望した院に就職もしくは弟子入りをお願いする。

 

もう一つが勉強会(セミナー)です。
開業してから他の鍼灸師と出会う為には、HPやSNSで他院の情報を見るのも一つですが会った事もない相手ですので大抵は一方通行です。
よってこの勉強会が孤立しがちな鍼灸業界において大きな刺激となります。

 

私は現在3つの勉強会で刺激を頂いてます。

 

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1つ目が「中華伝承医学会
個人的に一番長く参加しております。
中華伝承医学とは「古典と口伝にもとずく流派の系統」で師匠から弟子に、手から手へ、あるいは口伝で伝えられた貴重な伝統医学です。よって参考書もほとんど存在しません。特徴として、基礎理論から治療理論まで一貫した論理的な体系になっています。

 

目上の尊敬する先生・講師までもが謙虚にいつまでも学ばれる姿勢はいつも自分を見直すきっかけとなっています。
今年夏には合宿があり、講義よりも鍼灸師同士が互いに施術し合い、治療の経過を症例としてディスカッションし合う大変実りある2日間でした。それ以降、都合により参加出来ていないので来年からは復帰したいです。

 

 

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2つ目が「大師流小児鍼
私自身、子供が大好きで将来自分の子供を授かる事が出来た際に父親としてはもちろん、鍼灸師としても子供に愛情を注げるよう考えた結果、唯一の小児鍼を専門でおこなう明治時代から続く流派を一度学びたく今年から参加しております。
主となる院では、1日100人前後のお子様が治療に来られる様で、ただただ驚きです。
普段の治療で用いる鍼灸の理論や手技でもお子様への治療は可能ですが、大師流の小児鍼は気持ちの良い鍼が絶対条件ですので、お子さんにもさらに安心して受けて頂いております。
専用のメールグループでは、難解な小児患者の症例を共有し合い皆で解決策を意見し合っており大変勉強になります。

 

 

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3つ目が「活法研究会」(整動鍼)
この勉強会は東京でしかおこなわれていません。
先程HPやSNSで他院を知ると書きましたが、そのブログに感銘を受け実際にその先生の鍼灸手技を学びたいと気付いた時には東京に出向いていました。

 

整動鍼とは古武術整体(活法)の理論と実践から導かれた鍼法で、従来の経絡に基づく鍼灸理論とは一線を画するものです。
この勉強会は講義1割、実技9割の為、自然と鍼灸師が互いに触れ合い共に学んでいきます。
全国から集まった世代も環境も様々でありながら、全員が真剣かつ謙虚に一つ一つの学びに向き合います。
笑顔も絶えない和やかな雰囲気で「整動鍼」という一つの目的に向かって共有する時間は過ぎるのもあっという間です。一人一人が整動鍼という全く新しい理論と有無を言わさない効果に確信を持ち、皆でこの波を大きくしていきたいという気迫をひしひしと感じます。

 

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講義を終えた後は、活法研究会の共有サイトにて全国に散らばっている鍼灸師が日々の臨床で悩んだ症例を共有し、解決案を出し合います。
現在当院ではこの理論をベースに、施術に取り組んでおります。

 

結果、何が言いたいかというと鍼灸師の場合は看板を共有しなくても、金銭を抜きにして互いに「患者さんの症状を改善したい」という共通の目的の元、情報交換・鍼灸手技の共有が出来るという事です。
※もちろんセミナー代という形での金銭は発生します。
これは本当にかけがえのないものである事を開院してからつくづく感じます。
この様な場を提供する為、臨床を積み重ねてきた講師の方々には本当に頭が下がりますし、近い将来、自身が目指す一つの目標でもあります。

 

経営統合は出来なくても周囲の医療機関と連携を取り合い、患者さんに今必要な事に対して迅速に対応できるネットワークを今後ゆっくりでも確実に築いていく事も当面のビジョンです。
その為に今すべき事は、ご縁があり来院くださった患者さんの症状の改善、これに尽きます。
常にアップデートした状態で、毎回の施術に取り組めるよう引き続き症例を積み重ねていきたいです。

 

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鍼灸院を訪れるのに不安を感じるのは一般認識として当然です。
そこを勇気を出して一歩踏み出してみると、案外明るい和やかな場所かもしれませんよ。
少しでも来院前の不安を取り除き、安心感を与えられる院内づくりを常に考えております。