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鍼灸師がお薦めする冬のダイエット(脂肪燃焼)法とは?

2016-11-30

季節を問わず「ダイエット(脂肪燃焼)法」には様々な種類が紹介され続けています。
その中で、鍼灸師という治療をメインに臨床をおこなう立場から「痩せる為には何をすればいいか?」と患者さんに問われた際、私がいつもお伝えしているのは呼吸の意識です。
ダイエットを目的とした患者さんへは、筋肉の連動性を回復し呼吸のしやすい安定した姿勢を目指した鍼灸治療をおこないます。

 

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では何故、呼吸の意識がダイエットに繋がるのか。
忘年会や年末年始を楽しみにしながらも、体重の増加が気になるこの季節だからこそ一緒に再考し、対策をとりましょう。

 

まずダイエットに最適な季節はいつでしょうか。

ダイエットに一度でも取り組んだ方ならご存知かと思います。答えは今の時期のです。

 

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夏に汗を沢山かくから、脂肪も一緒に燃焼しやすいのでは?というのはただのイメージです。
冬は外の気温が下がるので、熱を出来る限り産生しようと内臓の体内を温める機能は1年で最も効率良く働いてくれます。
逆に夏は外気温が暑いので体内は熱を発散させる様に働き、冷やす機能が高まります。熱を産生する機能は外がすでに暑いので必要性が低くサボリがちとなってしまうのです。

 

それを象徴する一例を。
体感として冬は夏に比べてお腹が空きやすくありませんか?
これは胃腸の動きが活発になっている為、代謝が上がっているからと考えられます。逆にご飯が他の季節より沢山食べられるともいえますので、気を抜くといつもより食べ過ぎその結果、体重が増えるというのは冬のあるあるですね。
体内の熱産生量が多い冬と、少ない夏どちらが脂肪を効率良く燃焼してくれるか。
答えは明確です。

 

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ここで一つ、東洋医学の養生法をご紹介します。
東洋医学には季節ごとに養生法が異なり、人間も本来季節に応じて生活リズムを変化させるのが理想です。今回は冬の養生法を。

 

・汗をかいて冷えないようにすべきである
・早寝遅起(起床・就寝は日の光を基準とする)
・精力を消耗しないようにゆったりと過ごす

 

どうでしょうか。現代はまさに養生とは無縁ですね。苦笑
結局、この養生法はどこの内臓機能を護る為におこなわれていたかというと「腎」機能を護る為です。
この「腎」機能が衰えると様々な障害や症状が起こりえますが今回は始めに挙げたダイエット法に絡めます。

 

という事で本題。「腎」機能が衰えると
①体内の熱産生量が低下する
②凸腹になる(筋肉を引き締める力の低下)です。

 

ダイエットを始めるきっかけとなる一番の場所はやはりお腹ですよね。
お腹が出てくるのはお腹の筋肉がたるむからであり、何故たるむかというと「腎」機能が弱まるからと考えてみてください。腹筋が無くなったのではありません。腹筋の上にたるんだ脂肪が乗っかっているのです。

 

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ここで、東洋医学を主とする鍼灸師の立場から提案するダイエット法が冬の養生法にも沿った「呼吸の意識」です。ようやく帰還しました。

 

普段何気なくおこなっている呼吸は肺が勝手に膨らんだり縮んだりしているわけではなく、実は筋肉運動によって成り立っています。
息を吸う筋肉は体幹の上部、吐く筋肉は下部にあります。

 

ここで息を吸うのと吐くのはどちらが難しいのでしょう。

 

吸う機能は受動的で吐く機能は能動的です。つまり、息を吐く筋肉は意識しないと引き締める事が出来ないのです。吸う機能は意識が無くても勝手に吸ってくれるので逆に引きつりやすいと言え、これが肩こりの要因となります。
よって凸腹の方は普段から息が十分に吐き切れておらず、体幹下部の筋肉がたるんでいる可能性が大きいのです。
呼吸の改善でしっかり息を吐き切れるようになれば、お腹の奥の筋肉が覚醒し、おのずとお腹は凹んでくるはずです。

 

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呼吸にはまだまだ沢山の恩恵があります。
当院でも治療の合間に深呼吸をお願いする事がありますが、目的は治療効果の安定です。
良くなった身体を患者さん自身に落とし込み安定させる。この為に普段から呼吸を治療に取り入れています。

 

・しっかり吸えて吐ける呼吸が出来るようになると、十分な酸素と血液が全身を巡ります。すなわちこれまで酸欠気味だった脳にも沢山の酸素や血液が供給され、貧血・眼精疲労の改善、小さな事でのイライラやストレスを感じる事も少なくなり、集中力が増します。

 

・呼吸と自律神経は密接に関係し、息を吐く時に副交感神経が優位になると推測される為、深く吐けるようになれば気持ちもリラックスし、憂鬱感やストレスによる暴飲暴食、不眠症、花粉症の改善にも繋がると考えます。

 

・呼吸力の高い身体は、すなわち体幹の安定・姿勢が改善された状態です。
その為、日常生活動作が楽におこなえるようになり痛みやストレスを感じず、すぐに動ける「対応力」が備わります。

 

すなわち「呼吸を意識する」ことは、お腹の凹み+健康を手に入れる事に繋がるのです。
今日から取り組んで頂ける呼吸法を、私自身がおこなっている方法も含め数種類ご紹介いたします。
ダイエットはしたいが食生活や運動、日常生活を見直す事が現状難しいあなた。
まずは忘年会や年末年始に向けてコストのかからない、人間本来のしっかり吸えてしっかり吐ける自然な呼吸を取り戻す事から始めてみるのはいかがでしょうか。

 

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☆鍼太郎がおこなう呼吸法
①自然な呼吸の維持目的(リラックスしたい時)
鼻で3秒吸う→2秒止める→15秒かけてゆっくり口で吐く×6セット(2分間)
※腹式呼吸(吸うときにお腹を膨らませて、吐く時にへこませる)

 

②頭のデトックス
共に鼻で7秒かけて吸い、7秒かけて吐く(朝晩2回:3分間ずつ)
※①②共に同姿勢。姿勢は画像参照

 

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※参考文献
・Tarzan
・自分を操る超集中力 著:DaiGo
・整体入門 著:野口晴哉