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自分でやることと、自分だけでやることは違うという話
タイトル通りにはなりますが、自分でやることと、自分だけでやることは違います。
治療も養生も1人でやらなくていい
当院でははりの治療と、呼吸レッスンを通して養生という視点を共有していますが、初回共有する際に「養生」の部分、つまり自分でやることを、自分だけでやっていくものだと思われている方が多いと感じます。
治療は人にしてもらうもの、養生は自分でやっていくものといった感じです。
当院なりの答えは、治療も養生も、お互いのやり取りを通して育んでいくもの。だから治療は養生の一環であると考えています。
養生は確かに自分自身が主体となってやっていくものです。
ただしセルフケアとは違います。
セルフケアは〇〇の症状、〇〇の効果に対して、ストレッチをする、体操をする。その結果、〇〇の症状が楽になる、〇〇の効果が得られる。数日経つとまた効果が薄くなるので、毎日ちょっとずつでもやっていく。
実際にテレビを見ながらであったり、夜寝る前、朝起きたときに毎日の習慣として、5〜10分実践されている方も多いのではないでしょうか。
セルフケアはテレビや本、YouTubeなどメディアで見たことを、自分なりに見様見真似でやってみたり、医療機関でやり方を教えてもらい、後は自分でやっていく形でスタートしますよね。
そのため、今自分がやっているセルフケアを見直すという視点がそもそもない。一度教えてもらったら、後は自分でが当たり前になっています。
これ、改めて考えてみると本当にそれで、自分の望む作用や効果は得られるのでしょうか。
習い事を始めたとき、一度習っただけで、後は自分だけで右肩上がりにうまくなっていけますでしょうか。
学生時代の授業や部活動をイメージしてもらえるとわかりやすいですが、毎日先生やコーチに何度も何度も繰り返し、同じことを言われたり。自分が起こしたアクション、成果に対して、褒めてもらったり、修正してもらったり。
ここの過程を踏んできていない人は、ほとんどいないはずです。
それが学生時代を終えると、急に「自分のことは自分で」といった視点が色濃くなり、責任感が強い人であればあるほど、仕事においても、プライベートでも選択肢が「自分だけでやる」に偏っていく。
自分だけでやるというのは、自分なりの、自分が想像する範囲にしか変わりませんし、作用しません。
少し踏み込んだ話をすると、体づくりを自分だけでやるというのは、「自分の体のことは、全て自分でわかっている」という思い込みが前提にあります。
自分は何もわかっていない。だからこそ、わかるが増えると楽しい。僕はこのような考えです。
体のケアも養生も、1人でやらなくていいんです。
人と関わる価値
よく笑い話で自分のセルフケアの例を患者さん、クライアントさんに話すのですが、中学一年から約17年間欠かさず、夜寝る前のストレッチをやってきました。
飲み会終わり深夜1時に帰宅しても、フラフラになりながら、お風呂に入りストレッチをして寝てました。こういうところは、真面目なんです。
その結果、何を得れたか。何も得れてません。笑
柔軟性が上がったわけでもなく、何か自分の体のことについて知れたわけでもなく。
ただそのとき、「やった」という感覚だけが欲しかったのでしょう。習慣は大事ですが、自分を知るであったり、成長し続けるための習慣という視点に立つと、意味がある習慣とそうでない習慣があることも事実です。
自分の進化成長や、現状を変えたいと当院を訪れた方には、全力で応える準備をしています。
自分だけでやっていると、今までの自分の体、思考の癖、習慣を手離すのは容易ではありません。
逆に人にサポートしてもらうと、10年以上悩んでいたことが1回の施術、セッションで解決してしまうなんてことも、ザラにあります。
「あれ?」と呆気に取られてしてしまう方が多いのですが、事実そうです。自分もそれで、17年間惰性でやってきたストレッチを一瞬で手放せました。
自分だけでやるというのは、圧倒的に効率が悪いことを、このとき強烈に感じたのを覚えています。
自立と依存は表裏
「自立」できている方の多くは、自分の頼れる場所、依存できる場所を持っています。
それは自分を知る作業を常にアップデートしているからこそで、自分に適っていない行動、選択は、早めにその道のプロにお願いすることができる。
そうすることで、より自分が強みとしていることに全神経を注げるため、さらに人のお役に立てる場面、人生を豊かに過ごせる時間が増える。
この循環をうまく回せている方は、この環境を整える作業に終わりがないこともわかっているので、生涯学び続けることをやめません。
そんな方々と多くご縁が繋がる人生を、今はイメージしながら、自分自身の純度を高める作業をしています。
自分の最大の幸運は、常に誰かを頼って生きてこれたことです。元々人に警戒心を与えない性質を持ち合わせている点も、プラスに働いているように思います。
先日信頼できる鍼灸師の友人に言われてハッとしましたが、紅露養生院と屋号名をつけたときの6年前には、想像もつかない、ただ今となっては、こんな場所を目指して養生院と名付けたのかもしれないという輪郭が、うっすら見えてきています。
これは色々な方々のサポート、お力添えがあったからこそで、自分だけでは決して通過できない、見ることのできなかった景色です。
特に自分の本気に、全身全霊で応え続けてくださる、呼吸・整体勉強会代表の森田敦史先生には、感謝してもし切れません。
自分の受けている恩恵は、既に生涯返せないレベルまでに達しているので、周囲に全力で返し続けたいです。
そういう意味で、このコロナ禍において、当院を通して「自立」の認識が丸っと変わり、自分で判断し、選択して、行動できる方々の姿を間近で日々目の当たりにできたこの1年は、自分にとって一つの重要な成果でした。
もう一つ嬉しいのは、去年7月から始まった、自分が研鑽を続けている呼吸・整体勉強会の企画、トータルコンディショニングウィークが、自分でやることと、自分だけでやることは違うことをわかっている方々が、集う場所、研鑽する場所として機能し続けていることです。
参加者同士の方々のコミュニケーションが、各々の場所で同じ時間に集い、同じプログラムを実践することで一つ完結できている点は、まさにニューノーマル。
その場をチームでつくり続けられていることには、感謝しかありません。
自己成長を望む、自分の殻を破りたい方は、全国各地、スマホ一つあれば参加できますので、是非一度、チャレンジしてみて欲しいです。
https://bit.ly/2UAdmZJ