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小児の特性と施術方針
改めましてという感じですが・・実は当院、小児鍼もおこなってます。
お子さんに鍼を打つのは怖いイメージがあるかと思いますので,
まずは簡単な小児の特性を説明致します。
小児の生体機能の特徴は下記の3つで全体的に身体の勢い(熱量)が強い傾向にあります。
①成長
②増大
③躍動
この盛んな勢いを維持するために頻回の睡眠や食事によって
勢いを保持する為の燃料と身体の構成物を常に補う必要があるのです。
ということは鍼灸院に良く来られる夜泣き(疳の虫)やアレルギー性疾患のお子様のお身体はどうなっているのか?
①小児は熱の塊の為、どうしても熱の上に挙がる性質により身体が熱化しやすい。
②それにより夜中、下に降りるべき気や血液の流れが上に挙がったまま降りない(沈まない)事による夜泣きや不眠症、身体の熱が炎上する事によりまだ未熟な身体のバリア(皮膚)が攻撃され炎症症状として諸々のアレルギー 症状や皮膚疾患が発症してしまう。
③ ②の状態が負のスパイラルとなり不眠と炎症を繰り返し、症状がどんどん悪化してしまう。
この状態を当院ではどう治療するか?
小児の本質は「機能充実の方向への変化」である為、成長の力をうまく利用し、
出来る限り生体機能の肩代わりをせず、生体機能をサポートする姿勢をもたないと、
その働きを抜きに身体のバランス状態が構築されてしまう危険性があるからです。
つまり上昇や限局した熱を抑え込むのではなく、正しい方向に拡散させるイメージを持って鍼を施します。
鍼で燃料や構成物を補うのではなく巡りを調える事でお子様自身の力で睡眠や食生活を改善し、自分で蓄える事を覚えてもらう。
この考えを念頭に施術致します。
さらに親御さまにも協力して頂かないといけません。
特に諸々のアレルギー症状の原因の一つに食事が関係します。
アレルギーは胃腸が冷える事により内湿(邪湿)が溜まって起こる事がほとんどで、
飲水(特に冷飲:牛乳等の乳製品)過剰や少食を無理に食べさせるケースが多いので
特に夕食の飲食は少なめにし、空腹感に合わせた量にさせ粗食を中心にする事が大切です。
最後に最も重要と考えるのはご家族がお子様の「太陽」となることです。
温かく守られ、褒められる事で地中から熱源である陽気が育ち、盛んな熱気がねじ曲がらずに陽位に向かってすくすくと健やかに拡散します。
小児は笑うことで陽気を引き出し、
泣くことで身体の内湿を払い気の滞りを解き放ち、
動くことで身体の気・血・水を巡らせ、
安らかに眠ることで熱源や燃料・構造物を育てるのです。
ご家族さまと共にお子様の症状の改善をサポートさせて頂ければ幸いです。
《参考文献》
「関西系統中医学講座」