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不眠症の要因と施術方針③

2015-09-18

前回までの内容はこちら

 

不眠症の要因と施術方針①

 

不眠症の要因と施術方針②

 

②陰虚(陽が強すぎるのではなく主役になるべき陰が弱すぎる結果、陽が優勢になってしまう状態)

 

《症状》
・身体が渇きがちで潤いが無く、貧血気味(陰が弱いということは、物質的なもの[水分]が足りない為。)
・寝付きは悪くないが、しょっちゅう目が覚め、深い眠りに入れない
・全身に倦怠感があり、何となく内にこもったほてりがある
・寝た気がしない

 

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《当院の施術方針》
身体の構成物(陰)を補い相対的な熱を冷ますために、潤い(身体の鎮静作用)を増強させる方向に施術致します。
今回の要因は最も生活指導が難しく、寝る事が一番の治療となる要因です。
しかし寝るのが困難な症状ですので、身体の弱りを補うことが可能な鍼灸治療が重要となり、夕方、夜間の休息を大切にして食事で陰をしっかり補うことが必要です。

 

注意点としてドリンク剤や強壮剤の連用・香辛料の取り過ぎは身体をほてらせるだけでなく、潤いを奪ってしまう作用があるため、油っこい物と共に出来る限り避けた方が良いです。
この要因に適応する方は一先ず症状が落ち着くまで、普段の食事はあっさりした味付けで野菜中心の生活に思い切って変えてみてください。

 

《適応食材》
はちみつ、小麦、百合根(ユリネ)、ナツメ、牛乳、鴨肉、カツオ、アワビ、ホタテ、昆布、豆腐、卵、黒砂糖、ほうれん草、ハイビスカス、桃、梨 、みかん など
沢山の適応食材がありますがベースは、甘味・酸味の食材による滋陰(じいん)作用を利用します。

 

次回、「不眠症」の分類分けは「陽虚」です。

 

《参考文献》
「関西系統中医学講座」
「いかに弁証論治するか」 東洋学術出版社
「臨床中医学各論」 緑書房