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鍼太郎の養生日記②〜因〜

2021-02-12

先日は、定期勉強会でした。

 

1度の勉強会で学ぶ量は膨大なので、数回にわけますが、今回は「原因探し」について書いてみます。

 

一般の方、プロの方問わず、参考になる点があれば幸いです。

 

自分の思考・スタンスを知る

 

きっかけは、一つのテーマについて、検証してみようとお互いが意見を出し合ったときのこと。

 

検証という言葉から、自分がパッと思いついたのは、相手の原因や課題、そして伸び代でした。

 

これは鍼灸師という職業柄もあるのですが、自分はまず相手のどこに、原因があるかを探す癖を持っています。相手の伸び代に目を向け、伝えられるようになってきたのは、まだ半年〜1年の話です。気を抜くと、すぐ指摘モードに入ってしまいます。

 

そんなときは一言、「先生また私に対して、原因探しばかりしてるよ」とお声がけください。瞬時に我に返ります。

 

 

少し脱線しましたがこの視点を、治療思考としておきましょう。

 

どこに原因があるかというのは、言い換えると、相手のできていない点を探すとも取れます。

 

基本的に病院や治療院に対する一般の方の認識は、原因を見つけてもらう、原因に対して治療をしてもらう場所です。

 

当然相手がそれを求めているからこそ、それに対して応えるのがプロの仕事なのですが、それだけで終わっていいのかというのが、今回の投げ掛けでした。

 

原因をストレスや年齢、姿勢や骨盤の歪みで片付けるのは論外として、体の構造・性質や、思考から原因を見つけたことを、相手にどう伝えるかで、その人のスタンスがわかります。

 

当院に来られる方々やメディア、症状で悩む方々のネット上での発信を見ていると、世の中の大半は、原因を伝えることに終止しているように感じます。

 

今まで関わってきた方々の中で、初回にご自身の症状の原因を「姿勢が悪いから」「考え過ぎるから」と言う方はいても、「姿勢はいいのですが」「一つの物事に対して、真摯に向き合うことができるのですが」とおっしゃる方は、皆無です。

 

これは自分の原因や課題ばかりを挙げられた結果、自分のできていないところばかりを探す癖がつき、実際に自分のできているところや伸び代に、目を向けられなくなったからと捉えています。

 

今ブログを読み進めてくださっているあなたが、もし当てはまるな〜と感じているなら、自分ができていないと思い込んでいる裏側に、一度目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

物事には表裏があり、自分がダメだと思い込んでいることに関しても、それによって救われている部分や、受けてきた恩恵は必ずあるはずです。

 

その両方をテーブル上に出した後、自分が今抱えている問題点と向き合うと、また新たな視点が見えてくるかもしれません。

 

 

治療思考とは別の思考手段が、養生思考だとすると、呼吸・整体勉強会では、養生思考が自分の中で、日々どれだけ育まれているのかを、様々な場面で突きつけられます。

 

そして度々、絶望します。だからこそ、研鑽を続けられるともいえます。

 

養生を提案する上で、大切にしていることは、どれだけ相手に「楽しい」「へーっ」と思ってもらえるか。経験上、その先に初めて人は感動するようです。

 

できていること、できていないことをフェアに見た上で出てくる課題を、クリアしていったその先に、どんな未来が待っているのか。自分の体に興味を持ってもらい、自分の伸び代に、ワクワクする。自分に対して、期待を抱ける。

 

そんな未来を見据えてもらえるよう、様々な技術や自己実践を、定期勉強会では研鑽しています。相手の喜ぶ顔が具体的にイメージできるので、とにかく面白いです。

 

なお、治療思考、養生思考に優劣はありません。この二つの思考に対しての考察は、先日同じ呼吸・整体勉強会を学ぶ武田先生から、熱量あるブログが挙がっていました。

 

興味がある方は、是非ともご覧になってみてください。

『日々、体をいいコンディションでいたい人の【養生思考】(前編)』

 

次回に続きます。