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私、猫背で姿勢が悪いんですと自覚されている方に読んで欲しいブログ

2017-07-01

「私、猫背で姿勢が悪いんです」

この言葉は開業してもうすぐ2年になりますが、「鍼って痛いですよね?」を上回る鉄板フレーズで、殿堂入りを果たしました。

 

実際に来院時の立ち姿勢、椅子に座っている姿勢を観察しても猫背だな~と私が思える方はほとんどいないにも関わらずです。
では、なぜ皆さんは猫背・姿勢についてこれほどまでに敏感なのでしょうか。

 

一番の理由は人の目・指摘にあると考えます。

 

  • ・学生時代、親や先生から姿勢を正しなさいと言われた記憶
  • ・肩こりや腰が痛くなった時、周りから姿勢が悪いからだよ、普段から腰が曲がっているからでは?と言われた。
  • ・寝違え・ぎっくり腰で病院・治療院に行くと〇番と〇番の間の軟骨がすり減っているから・狭くなっているから・骨盤が歪んでいるから・姿勢が悪いからと言われた

 

などなど。

 

普段自分で姿勢が悪いな。猫背だなと自覚するタイミングって少ないと思います。
イベントや式典でかしこまって集合写真を撮った後日、その写真を見て初めて自分の姿勢が気になるぐらいでしょう。

 

最初の指摘は他人から受け、そこから何となくの自覚に至り「自分は猫背である・姿勢が悪い」と思い込んでいる方が多いようです。

 

そんな方々に決まって私がお伝えする事は、「ご自身の姿勢というものをもう一度確認しましょう」です。

 

猫背姿勢のエネルギー方向は後ろである

 

猫背とは座った姿勢であれば、肩・腰が前のめりになり首が前屈した状態。

 

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立位姿勢ならつま先重心でこんな状態をイメージされますよね。

 

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座位・立位、この状態でエネルギーの方向まで前にかかってしまうとそのまま前に倒れてしまうので、身体は無意識に後ろ方向に過剰なエネルギーをかけて前に倒れないよう踏ん張っています。

 

自覚している丸まった姿勢ではなく、実際に見えないエネルギーによって身体に負担が掛かっているのは、突っ張った胸と狭くなった背中なんです。

 

胸が張り胸骨が挙がりっぱなしになると、呼吸が浅くなり身体が常に突っ張った状態で日常生活を過ごさなければなりません。

 

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背中が狭くなると、肩甲骨は内に寄り肩甲骨の柔軟性が低下して背中が常に痛い。身体がしぼむこともできなくなるので、全身をめぐる気血水の循環も悪くなります。

 

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見せかけの綺麗な姿勢は、身体にものすごい負担をかけているのです。

 

先日来院された患者さんは、ぎっくり腰を何度も繰り返すようですが、周囲の人には「いつも姿勢が良いですね」と言われるんだとか。
いつもどんな姿勢で歩いていますか?と確認すると先程写真で挙げた通りの姿勢でした。
無理をして胸を張る必要も、背中を寄せる必要もない事をお伝えすると納得されたようでした。

 

ではどんな姿勢がいいのか?

 

肩甲骨の位置は真後ろではなく少し外側に位置しています。(外転位)

 

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これは背中を広くする事で身体の膨張収縮がスムーズにおこなえるためです。
「男は黙って背中で語る」
背中で語る方の共通点は大きく広い背中ではないでしょうか。

 

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肩甲骨がやや外転位にあれば、肩は少し内巻きになりますので、胸は程よく縮み、胸骨は少し下に落ちた状態となり息は楽に吐く事ができます。

 

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かといって猫背ほど丸まるわけではないので、見かけとしてもリラックスした柔らかい様に見え、一目見ただけで優しそうだな、安心感があるなといった印象をもちます。

 

身体にとっても周囲の人から見ても優しさと安心感を与える状態が理想の姿勢といえるでしょう。
無理に頑張るのではなく、自然な状態で顔張って過ごすのが一番です。