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認識する力
施術風景の一コマをご紹介。
キーワードは、認識する力です。
デスクワークに伴う腕全体の酷使により、右肘を曲げると肘内側が痛い。
肩こり、喉の詰まり、目のピクピク感もある。
訴えに応じた施術をおこない、肩こり、喉の詰まり、目のピクピク感は緩和。
肘の訴えに対しては、足の指間、お尻、背中のツボにそれぞれ鍼をおこなう。
対象の関節、筋肉の緊張が緩和したことを確認し、右肘を曲げてもらう。
「痛いです・・」
自分に意識、注意を戻していく
それでは今ベッドに座っている姿勢から、少しお尻浮かしたりして置き直して良いので、手の甲は下、掌は上向きで、膝の上でも、ももの上でも自分の置きやすいところに、置いてみましょうか。
目は軽く閉じて頂いて。
今、自分の体に意識、注意を戻しています。
まず坐骨(お尻)に体の重みが掛かっているなぁ。
【30秒】
次に足の裏。足置き(床)に着いているなぁ。
【30秒】
手の甲は膝ないし、ももの上に乗っている。
重みを認識するだけで、オッケーです。
【30秒】
最後は全部一辺に注意を向けていきましょう。
坐骨、足、手。
【50秒】
さぁゆっくりと鼻から息を入れて、さらにゆっくり口から息を吐きながら、目を開けていきましょう。
手もクシャクシャッと動かして、足首も動かして良いです。
一度ダランと前に体ごと倒しちゃいましょう。
ゆっくりと戻ってきます。
そのままの感じで、肘曲げてみましょうか。
「痛くないです・・」
認識する力
やったことは、自分の体に意識、注意を戻す。
つまり、自分の体を改めて認識し直したことになります。
自分の体を認識できると、足が使える。
お尻も使える。
そうなると、脇が使えて、肩の力も抜ける。
実は施術後、肘を動かしてもらったとき、思い切り脇が開いた状態で、肘を動かしていました。
脇が開くと、自然に肩の位置は上がり、背中もギュッと固くなり、お尻と足の認識は消えます。
そりゃ痛いよね。
ただここで「脇閉めてみてくださいね」「肩の力抜いてみてくださいね」とやるよりも、自分で動きを修正した成功体験を得てから、変化の理由を解説した方が、相手の肚の底に落ちる確率が上がる。
施術だけで完全に動きまで変われば最高だし、実際に無意識的に変わるように、アプローチはしているが、そうはいかない場合もやっぱりある。
特に意識や思考の強い人は、無意識化にアプローチしても、それを上回る思考が絡んで、邪魔してくるケースが多いです。
じゃあその強い意識を逆手にとって、自分の体に目を向ければ良い。
大抵最初は、「重みが掛かっているなぁ」ぐらいで良いと言っても、「重みを掛ける!」と強い意志が働くので、そこは外す言葉掛けが必要。
3分、時間を取って自分で自分の頭のロックを外すだけで、元々体のロックは、施術で外れているわけだから、良い反応が得られる。
この体験を経ても「痛いです・・」は、何とも言えない空気感になるが、経験則9割9分認識が変わるので、自信を持って聞ける。
仮に痛いままでも、その結果にはちゃんと理由があり、必ず次回に活かせる。
なぜここまで言えるかというと、自分が心身ともに凝り固まった人間だから。(特に体はめちゃ固い)
ロックが外れない、もどかしさを知っているからです。
関節痛に限らず、三半規管症状や、胃腸症状。
顔面周囲の症状など、ほぼ全てに関連する、認識力の視点。
この視点が、あなたが今抱えている不安や症状が快方に向かう、一つの光明となれば嬉しいです。