ブログ

認識する力

2020-05-22

施術風景の一コマをご紹介。
キーワードは、認識する力です。

 

デスクワークに伴う腕全体の酷使により、右肘を曲げると肘内側が痛い。
肩こり、喉の詰まり、目のピクピク感もある。

 

訴えに応じた施術をおこない、肩こり、喉の詰まり、目のピクピク感は緩和。

 

肘の訴えに対しては、足の指間、お尻、背中のツボにそれぞれ鍼をおこなう。
対象の関節、筋肉の緊張が緩和したことを確認し、右肘を曲げてもらう。

 

「痛いです・・」

 

 

自分に意識、注意を戻していく

 

それでは今ベッドに座っている姿勢から、少しお尻浮かしたりして置き直して良いので、手の甲は下、掌は上向きで、膝の上でも、ももの上でも自分の置きやすいところに、置いてみましょうか。

 

目は軽く閉じて頂いて。

 

今、自分の体に意識、注意を戻しています。

 

まず坐骨(お尻)に体の重みが掛かっているなぁ。

【30秒】

 

次に足の裏。足置き(床)に着いているなぁ。

【30秒】

 

手の甲は膝ないし、ももの上に乗っている。
重みを認識するだけで、オッケーです。

【30秒】

 

最後は全部一辺に注意を向けていきましょう。
坐骨、足、手。

【50秒】

 

さぁゆっくりと鼻から息を入れて、さらにゆっくり口から息を吐きながら、目を開けていきましょう。

 

手もクシャクシャッと動かして、足首も動かして良いです。
一度ダランと前に体ごと倒しちゃいましょう。
ゆっくりと戻ってきます。

 

そのままの感じで、肘曲げてみましょうか。

 

「痛くないです・・」

 

 

認識する力

 

やったことは、自分の体に意識、注意を戻す。
つまり、自分の体を改めて認識し直したことになります。

 

自分の体を認識できると、足が使える。
お尻も使える。
そうなると、脇が使えて、肩の力も抜ける。

 

 

実は施術後、肘を動かしてもらったとき、思い切り脇が開いた状態で、肘を動かしていました。

 

脇が開くと、自然に肩の位置は上がり、背中もギュッと固くなり、お尻と足の認識は消えます。

 

そりゃ痛いよね。

 

ただここで「脇閉めてみてくださいね」「肩の力抜いてみてくださいね」とやるよりも、自分で動きを修正した成功体験を得てから、変化の理由を解説した方が、相手の肚の底に落ちる確率が上がる。

 

施術だけで完全に動きまで変われば最高だし、実際に無意識的に変わるように、アプローチはしているが、そうはいかない場合もやっぱりある。

 

特に意識や思考の強い人は、無意識化にアプローチしても、それを上回る思考が絡んで、邪魔してくるケースが多いです。

 

じゃあその強い意識を逆手にとって、自分の体に目を向ければ良い。

 

大抵最初は、「重みが掛かっているなぁ」ぐらいで良いと言っても、「重みを掛ける!」と強い意志が働くので、そこは外す言葉掛けが必要。

 

3分、時間を取って自分で自分の頭のロックを外すだけで、元々体のロックは、施術で外れているわけだから、良い反応が得られる。

 

この体験を経ても「痛いです・・」は、何とも言えない空気感になるが、経験則9割9分認識が変わるので、自信を持って聞ける。

 

仮に痛いままでも、その結果にはちゃんと理由があり、必ず次回に活かせる。

 

なぜここまで言えるかというと、自分が心身ともに凝り固まった人間だから。(特に体はめちゃ固い)
ロックが外れない、もどかしさを知っているからです。

 

関節痛に限らず、三半規管症状や、胃腸症状。
顔面周囲の症状など、ほぼ全てに関連する、認識力の視点。

 

この視点が、あなたが今抱えている不安や症状が快方に向かう、一つの光明となれば嬉しいです。