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頭痛の要因と施術方針①

2016-03-02

桜満開の春陽気。
春は新年度の始まり・新たなスタートを切る方も多く、新しい環境への不安はありつつもやはり気分は高揚する時期ではないでしょうか。

 

 

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当院で気になるのはやはり皆さまのお身体の状態。
花粉症に代表されるように春は何かと体調が崩れやすい時期です。
それもそのはず。
本来、人間も冬は自然の摂理に従い、動物と同じ様に冬眠するまではいかなくとも、粛々と静かに毎日を過ごし、「汗をかかず」「早寝遅起(太陽が昇れば起きる)」をする事が冬の養生法と言われております。

さて、その様な生活がこの現代社会において出来る訳もなく・・
ということは、冬に溜め込むべきエネルギーを溜め込めていない(冬の寒い中での活動で疲弊している)状態で、この気分が高揚して勢いが一気に高まるこの季節を迎えるとどうなるか。
【自然界では万物が蘇り、生発して活発的になり、色々と変化して動きやすい季節です。】

 

疲弊したこの身体が自然の勢いに追いつくはずもなく、
体調を一気に崩される方が多くなる事は容易に考えられますよね。

 

そんな春の季節性の症状の中でも特にお困りの患者さまが増える症状とは?
それが今回取り上げる「頭痛」です。

 

「頭痛」は年中起こりうる症状ですが、特にこの春には発生しやすい。
その要因を挙げさせて頂き頭痛でお悩みの方はもちろん、まだ頭痛が起きていない方の養生にこのブログが繋がれば幸いです。

 

まずなぜ頭痛が起こるのか。
どんな痛みでも東洋医学では基本的に「不通即痛」
つまり、何か詰まるものの存在によって気・血・水の流れを塞ぐ為発生すると考えます。

 

「頭痛」で表現しなおすと清らかな気・血・水が頭部を巡る事で生体機能が維持されているのですから、これら頭部を巡る気・血・水が阻滞(塞がれる)ことで頭痛になるのです。

 

何が阻滞しているのか?
なぜ阻滞しているのか?
を考えることで病態を理解出来ます。

 

「頭痛」は大きく外感頭痛と内傷頭痛に分けられます。

 

①外感頭痛
※外邪:気候の変化が急激・過剰によって起こる環境変化の害の事。
これを防ぐのも自分自身の養生が大切です。

 

外感病とは外邪を受けることによって発生する病気で風・寒・暑・湿・燥・火の6邪があり、その中でもほとんどの外邪は風に伴われて体内に侵入します。

 

②内傷頭痛
こちらは逆に臓腑(内臓)の機能失調によって現れる頭痛で慢性疾患に伴うものも多く、この身体の状態に外邪が合わさり、痛みが増長する事も多々あります。

単純に痛みの性質や誘因を手掛かりに病態をある程度予想する方法として、
①張った痛みは気滞(気の滞り)
②固定痛・刺痛は血瘀(血の滞り)
③重鈍痛やだるさを伴う痛みは湿
④熱感を伴うものは熱
⑤冷感や絞約痛は寒
といった具合で、自分で把握することも可能である程度の対処も出来ます。
【例】
・張った痛みにはマッサージやストレッチ
・だるさを伴う痛みには食生活の節制
・熱感には冷やして、冷感には温めるなど

 

ここではもう一つ奥の事情に目を向けて病態を把握し、施術方針を立てていきたいと思います。

前置きが長くなりましたが次回、分類分けの1つ目は「流体量の異常(過剰)」です。

 

《参考文献》
「漢方中医学講座」著 仙頭正四朗先生
「いかに弁証論治するか」東洋学術出版社
「証の診方・治し方」東洋学術出版社